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2017年6月2日金曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 13日目 平均値の定理

CC BY-NC-SA 3.0

4.2 Mean value theorem

4.2.2 Roll’s theorem

Theorem 4.2.3 (Roll’s theorem)

連続関数f:[a,b]R(a,b)で微分可能で,f(a)=f(b)なら,f(c)=0なるc(a,b)がある.
proof.

f[a,b]上の定数関数ならc(a,b)  f(c)=0.
そうでなければ,Theorem 3.2.2 (Minimum-Maximum-theorem)から,f[a,b]上で最大値をもつ.Theorem 4.2.2から,最大値を取る点cf(c)=0.

4.2.3 Mean value theorem

Theorem 4.2.4 (Lagrange’s Mean value theorem)

f:[a,b]Rが連続で,(a,b)で微分可能とする.
f(b)f(a)=f(c)(ba)
をみたすc(a,b)が存在する.
proof.

g(x)=f(x)f(b)+(f(b)f(a))bxbag(x)=f(x)f(b)f(a)ba
とすれば,g(a)=g(b)=0が成立して,Rollの定理からg(c)=f(c)f(b)f(a)ba=0なるc(a,b)が存在する. 変形すれば,f(b)f(a)=f(c)(ba)である.

4.2.4 Applications

Proposition 4.2.5

区間Iがあって,f:IRが微分可能でf(x)=0が常に成立するなら,fI上で定数関数である.
proof.

x,yI,x<yを任意にとって,[x,y]で平均値の定理を適用すると,f(y)f(x)=f(c)(yx)=0.よって定数関数.

Proposition 4.2.6

区間Iがあって,f:IRが微分可能で
(i) f(x)0が常に成立するなら,fI上単調増加.
(ii) f(x)0が常に成立するなら,fI上単調減少.
proof. 略

Proposition 4.2.8

f:(a,b)Rが連続で,c(a,b)があって,f(a,c),(c,b)で微分可能とする.このとき
(i) x(a,c)f(x)0, x(c,b)f(x)0なるとき,fcで最小値を取る.
(ii) x(a,c)f(x)0, x(c,b)f(x)0なるとき,fcで最大値を取る.
proof.

(ii)を証明する.
x(a,c)上の点とし, {yn}x<yn<cで,cに収束する列とする.Prop 4.2.6から,(a,c)で単調増加するから,f(x)f(yn). fの連続性からx(a,c) f(x)f(c)同様に,x(c,b)  f(x)f(c).よって示せた.

4.2.5 Continuity of derivatives and the intermediate value theorem

関数の導関数における中間値の定理.

Theorem 4.2.9 (Darboux)

f:[a,b]Rが微分可能とする.f(a)<y<f(b)f(a)>y>f(b)なるyが存在するとき,f(c)=yなるc(a,b)が存在する.
proof.

f(a)<y<f(b)とする. g(x)=yxf(x)とするとg[a,b]で連続であって,あるcで最大値を取る.
g(x)=yf(x)とすると,g(a)>0である.よって
g(x)g(a)xa>0
なるx>aがある(微分の定義を思い出せ).x>aだからg(x)>g(a).よってg(a)gの最大値足り得ない.同様にg(b)gの最大値たりえず,g(c)=maxgなるc(a,b)があって,Theorem 4.2.2から,g(c)=0.したがってf(c)=y.

中間値の定理によって,連続関数には中間値性があることがわかっている.非連続関数にも中間値性をもつものがあるが,微分可能な関数の導関数は非連続であっても中間値性がある.

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