2017年7月8日土曜日

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 05日目 確率変数2

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 5. Random Variables

2. Cumulative Distribution Functions

Definition 5-4 (Cumulative distribution function)

をrandom variableとし、

と定めると、random variableの定義よりは常に定義されている.
のcummulative distribution function(CDF, 累積分布関数)という.

Example 4.

を2回のコイントスで表が出る回数の確率変数とすると,
である.したがって,

Example 5. (A uniform random variable and its square)

をprobability spaceとする.はLebesgue masureとする.このときrandom variable を,とすると,はuniformly distributedという.このときのCDFは

である.というrandom variableを考えると

である.

2.1 CDF Properties

Theorem 5-3.

をrandom variableとし,をそのCDFとすると,以下を満たす.

(a) (Monotonicity)
(b) (Limiting values)
(c) (Right-continuity)

proof.

(a)

とする.で,measureの単調性から成立.

(b)

は単調で,下に有界で,下限は0である.なる数列を考えると,数列は単調減少して.単調有界定理より.continuity of probabilityから.後者も同様.

(c)

とする.というeventは現象列で,である.continuity of probabilityから,

の選び方は任意だから,

2.2 From a CDF to a probability law

がTheorem 5-3を満たしているとき,このようなdistribution functionという.が与えられたときとなるようなrandom variable (とprobability space)が必ず存在する.

Theorem 4.

がdistribution functionであるなら,Lebesgue measureを持つprobability space ()上のrandom variableで,そのCDF に等しいものが存在する.

proof.

が連続で狭義単調増加であると強い仮定を加えて議論する.
このときの値域はであって,は可逆である.とする.
このときであってである.は狭義単調増加だから.
を考えれば,(Example 5から)

のprobability law(distribution)はすべてのBorel setに確率を割り当てるが,CDFは区間に対してのみ確率を割り当てる.

Proposition 5-2

のprobability law のCDF がわかれば一意に定まる.
proof. 略

3. Discrete Random Variables

Definition 5-5 (Discrete random variables and PMFs)

(a) がprobability spaceで,そのrandom variable discreteである

(b) がdiscrete random variableであるとき,と定める.このとき(probability) mass functionといい,PMFとも書く.

であるとき,任意のBorel set に,countable additivityより

とくにCDFは

で与えられる.
整数の値だけを取るrandom variableはdiscreteであり,simple random variable()もまたdiscreteである.
と書けるとき,というeventを定義できる(eventであることはdef. 5-1から直ちに従う).は互いに素な族で,である.したがって,

と書ける.逆に,なる族と実数列があるとき,

とするとを満たすdiscrete random variableである.

4. Continuous Random Variables

Definition 5-6

上のrandom variable が continuousである
measurable function

をみたすものが存在する.この(probability) density functionといいPDFとも書く.
(measurable function: Definition 5-3, , 積分は後で議論する)

から,

である.measurable functionが上の性質を満たすときdensity functionという.逆にdensity function fが与えられたときとするとはdistribution functionである.よって,density fnctionが与えられたとき,とすると,をdistribution functionとするrandom variable がある.
CDF がある点で微分可能なとき,であるが,CDFは必ずしも微分可能でない.また,continuous random variableのprobability density functionは一意ではない(これが問題となることは稀であるが).

Example 7

uniform random variable(Example 5)について,である.微分して,
.一方だからで微分不可能であるその微分係数を実数のどれとしても結果は変わらない.

continuous random variableのprobability density functionによって,様々な数直線上の部分集合の確率を計算できる.例えばなら,

である.より一般に,Borel set Bに,

である.特にがmeasure 0 ならである.

2017年7月6日木曜日

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 04日目 数え上げと確率変数

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 4. Counting

1. Banach’s Matchbox Problem

本のマッチが入ったマッチ箱が2つある.マッチを使うとき,どちらかのマッチ箱をランダムに1つ選んでそこから取り出す.マッチを補充せずに使い続けるとき,マッチを取り出そうとしてその箱がからであると気づき,またその瞬間もう一方のマッチ箱に本のマッチが入っているという確率を考える.

このeventが起こるときには2つのパターンがある.マッチ箱1とマッチ箱2と名前を付ける
(a) 最初の回マッチ箱を選ぶうち,回マッチ箱1を選び,回マッチ箱2を選ぶ.そして回目にマッチ箱2を選ぶ.
(b) 最初の回マッチ箱を選ぶうち,回マッチ箱2を選び,回マッチ箱1を選ぶ.そして回目にマッチ箱1を選ぶ.

(a)の確率は,

(b)の確率も同様で,合わせて

2. Multinomial Probabilities

回の独立な試行を考える.それぞれの試行でのどれかが1つだけ生じるとする.また,の起きる確率をとする.回の試行で,回起こる確率はどれだけか

回の試行で回,回…
と連続して出る確率は.
さらに個のたちの列の全ての並び替えは
したがって求める確率は

Lecture 5. Random Variables

1. Random Varibales and Measruable Functions

random variable(確率変数)はsample spaceから実数への関数であって,などと書くことにする.ある試行の結果がであったとき,を返す.あるがあって,のprobability (measure)が我々の興味の対象となる.measureが定義されているか( eventであるか の元か)が問題となってくる.

Example 5-1.

5回のコイントスを考える.であって,”1”は表を,”0”は裏を表すとする.で,はprobability spaceとする.
表の出る回数の確率を求める.を,

と定めると,は表が出た回数を表すrandom variableであって,例えば
は表が3回以下でるというeventである.

のBorel setsをと書く.random variableがをとることを許すとき,拡大実数を考えて,それのBorel setsをまたと書くことにする.である.

1.1 Random Variables

Definition 5-1 (Random Variables)

(a) random variableである
任意のである.
(b) extended-valued random variableである
任意のである.

Example 5-2 (Indicator functions)

に,

のIndicator function(特徴関数)という.

Example 5-3 (A function of a random variable)

をrandom variable とする.を,
と定める.と簡潔に書いたりする.
このときもまたrandom variableである.

1.2 The law of a random variable

random variable について,というeventを単にとか,と書く.より一般的に,に,と書く.
という区間と補集合の組み合わせては書けるから,がrandom variableなら,任意のに,である.したがって,は定義されている.とも書く.

Definition 5-2 (The probability law of a random variable)

をprobability space, をrandom variableとする.

(a) に,と定める.
(b) probability lawという.

はときにditribution(分布)とも呼ばれる.のprobability measureにもなっている.は扱いづらいことが多いので,で議論をすることがよくある.

先程の主張を証明する.

Proposition 5-1

がprobability spaceで,をrandom variableとすると,のprobability measureである.

proof. 略

1.3 Technical digression: measurable functions

random variableの一般化

Definition 5-3

をmeasurable spaceとする.
-measurable

以上の定義と前節の内容を考えると,上のrandom variable は,
として-measurable.

Theorem 1.

をmeasurable spaceとする.

(a) (Simple random variables)
とすると,indicator function - measurable
(b) であって,があるとき,
はrandom variableである.特にsimple random variableという.
(c) で,が連続である時,はrandom variableである.
(d) (Functions of a random variable)
をrandom variable とする.が連続である時,はrandom variableである.
(e) (Funtions of multiple random variables)
がrandom variableであり,が連続である時,もrandom variableである.特にはrandom variableである.

proof. 略

さらに,random variableの列の極限からrandom variableを定義することもできる.

Theorem 2

をmeasurable spaceとする.がrandom variableであるとき,
はrandom variableであって,さらにに各点収束するとき,もrandom variable である.

proof. 略

2017年7月5日水曜日

The Rust Programming Language 2nd 11日目

![](https://doc.rust-lang.org/book/second-edition/]
Apache License Version 2.0

8. Common Collections

Strings

What is String?

Rustが実装している文字列型はstrのみで,ふつう&strで利用される.StringはRustの標準ライブラリに実装されていて,ともにUTF-8でエンコードされている.

Creating a New String

Vecと同じく,newによって新しいStringを定義できる.
let s = String::new();
sという空の文字列を新たに宣言する.また,変数に入れたい文字列が決まっているときは,

let data = "initial contents";

let s = data.to_string();
// これらは結局同じこと
let s = "initial contents".to_string();

このように,to_string methodによって,String型の変数を作れる.to_stringDisplayを実装している型なら持っている.また,String::fromで文字列リテラルを受け取るとStringにできることはすでに見た.

let s = String::from("initial contents");

Updating a String

Vecと同じくStringは伸び縮みできるし,その中身自体を変更することもできる.特に,+演算子によってString同士をつなげることができる.

Appending to a String with Push

Stringpush_str methodによって末尾にさらに文字列を追加できる.

fn main() {
  let mut s = String::from("foo");
  s.push_str("bar");

  println!("s is {}", s);
}

shell

s is foobar

さらに,string literalはStringのreferenceだから,(Chap. 4)

fn main() {
  let mut s1 = String::from("foo");
  let s2 = String::from("bar");
  s1.push_str(&s2);                   // referenceでないとエラー

  println!("s1 is {}", s1);
}

としても同じことである.ただし,push_strはreferenceのみを引数に取る.
また,pushは引数に1文字だけをとる.

fn main() {
  let mut s1 = String::from("lo");
  s1.push('l');                       // 'lo'などとするとエラー

  println!("s is {}", s1);
}

Concatenation with the + Operator or the format! Macro

2つのStringを結合させたいことがある.前節とは別の方法に,+によるconcatenationがある.

let s1 = String::from("Hello, ");
let s2 = String::from("World!");
let s3 = s1 + &s2; // s1はmoveしてこの時点で消滅する.s2は必ずreference

このようにしてs3の中身はHello, World!となる.+演算子は内部的には

fn add(self, s: &str) -> String{ // 本当はもっと高度なことをしているらしい(Chap. 10)

のような,Stringadd methodを使っているので,ownershipのmoveによってs1は消えてしまう.ところで,&s2の型は&Stringで,&strではない.addの引数として&Stringを与えると内部でderef coercionという機能が働いて&strに変換(原文coerce)する.(&s2 => &s2[..] にする.strとはStringのsliceであった.)
また,addは引数のselfのownershipをとっていて,s1は消える.
2つ以上のStringを結合したいときは,let s = s1 + "-" + &s2 + "-" + &s3;などとする.またより読みやすい記法としてlet s = format!("{}-{}-{}", s1, s2, s3);としても同じことである.

Indexing into Strings

rustはStringのindexを指定して文字を取り出す機能を実装していない.

Internal Representation

StringVec<u8>のラッパである.つまり,UTF-8のコードの数値をVectorに保持し,それを文字列として扱うための糖衣構文である.

let len = String::from("Hola").len();

とすると,lenは4である.これはUTF-8でラテン文字は1Byteで表現されるためで,例えば

let len = String::from("Здравствуйте").len();

とすると,キリル文字は2Bytesで表現されるのでlen24となる.ここで

let hello = "Здравствуйте";
let answer = &hello[0];       // 実際はコンパイルできない

とすると,ЗのUTF-8表現は208なので,answer208となって,これは大方のプログラマの予期しない結果と思わるので,Rustはこうした行為ができないようにしている.

Bytes and Scalar Values and Grapheme Clusters! Oh my!

Grapheme Clustersとは,我々が単にletters(文字列?)と呼ぶものに最も近いRust内の表現である.
“नमस्ते”というヒンズー語の文字列は,Rust内部では究極的に
“`rust
[224, 164, 168, 224, 164, 174, 224, 164, 184, 224, 165, 141, 224, 164, 164,
224, 165, 135]

という```Vec<u8>```型である.
これは18bytesあって,ヒンズー語の文字としてそれぞれを分けてみると,
```rust
['न', 'म', 'स', '्', 'त', 'े']




<div class="se-preview-section-delimiter"></div>

左から4,6番目はletterでなく,diacritic(発音記号)であって,結局grapheme clustersは

["न", "म", "स्", "ते"]




<div class="se-preview-section-delimiter"></div>

のようになる.このように,プログラマの直感とはかなり異なった方法でRustは文字列を保持していて,Stringのインデクシングを直感的に行えるようにするには,計算量が(O(1))では効かなくなる.インデクシングは常に定数計算量(O(1))であるべきと開発者が考えたため,Stringはインデクシングを実装していない.

Slicing Strings

Stringをbyteごとにスライスすることはできる.

let hello = "Здравствуйте"
let s = &hello[0..4];

sは最初から4番目までのByteへのrefereceで,&str型である.キリル文字は2bytes文字だから,sをプリントするとЗдとなる.
&hello[0..1]とすると,最初の1byteのみ保持するようになるはずだが,それぞれの文字の境界に両端がないスライシングをしようとすると実行時にPanicを起こす.

Methods for iterating Over Strings

Stringのそれぞれの文字にアクセスできる方法は他にもある.
Stringに含まれるUTF-8のscalar value(つまり文字)に何かを実行したいときは,chars methodを使うのが一番良い.“नमस्ते”にcharsを適用すると,もとの文字列を分解して,それぞれの文字をchar型にしてくれる.

for c in “नमस्ते”.chars() {
  println!("{}", c);
}

न
म
स
्
त
े

を返す.(発音記号ごとイテレーションしているがいいのか・・・・)
一方でbytes methodはそれぞれのbyteを返す.

for b in "नमस्ते".bytes() {
    println!("{}", b);
}

shell

224
164
// etc

Strings are Not so Simple

このように,Rustでの文字列の扱いはとても複雑なことがわかっただろう.

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 03日目 条件付き確率と独立性

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 3. Conditioning and Independence

この節ではprobability spaceとする.また,やそれにindexをつけた集合は特に断らない限りeventで,すなわちとする.

1. Conditional Probability

Definition 3-1.

であるとする.について,を前提としてが起こるというconditional probability(条件付き確率)をと書き,

である.

Theorem 3-1.

(a)であるとき,であり,任意の互いに素な

である.
(b) で,上の関数とすると,上のprobability spaceである.
(c) とする.の分割,つまり互いに素で総和がであるとすると,

が成立する.
(d) (Bayes’ rule)
とする.の分割で,常になら,

が成立する.とくにであると,

(e)
任意のについて,

が,conditional probabilityがwell-definedである限り成立する.(である限りということか)

proof.

(a)
は互いに素だから,countable additivityから.上式の最右辺に代入すると,

(b): .またcountable additivityは(a)から直ちに従う.
以下略

2. Independence

の一方の起きることが,もう一方が起きるか否かに関係ないとき,はindependent(独立)という.これを定式化する.

Definition 3-2

(a) A, B がindependent
.
とくになら,である.
(b) :(有限でも可算でも非可算でもよい)を添え字集合とする集合族について,この集合族に属するeventたちは独立である
任意のに,

(c) -fieldであるとき,の任意の組み合わせでがindependentであるとき,はindependentであるという.
(d) -fieldである部分集合たちの属の独立性も(b),(c)を組み合わせて定義できる.

Theorem 3-2

はともに積集合について閉じたmeasurable setの族とする.
が任意のに成立するとき,はindependentである.
proof. 略

3. The Borel-Cantelli Lemma

Definition 3-3

について,「が無限回生じる」というeventは,無限に多くのに属するようなたちの集合であって,

と書く.(i.o. : infinitely often)

Borel-Cantelliの補題の証明のためにlemmaを導入する.

Lemma 3-1

が任意のに成り立ち,ならば

Theorem 3-3 (Borel-Cantelli lemma)

とする.
(a)
(b)

proof.

(a) から
任意のだから,

よって
(b) とする.である.を示す.
を固定し,とする.独立性から

仮定より.Lemma 3-1を
に適用し,.したがって

が成立する.

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 02日目 確率空間の構成

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 2. Two Fundamental Probabilistic Models

以下の2つは最も単純なprobabilistic modelである.
(a) 上のuniform distribution(一様分布)
(b) 回のコイントス,任意の結果

これらは一回生で習うような統計学でも当たり前のように出てくる.これらが前回学んだ理論に合致しているか確かめる.

1. Caratheodory’s extension theorem

というmeasurable spaceとが持つべき性質が与えられたとき,そうした性質を持ったを構成する方法を考える.であって,の持つべき性質が容易に満たせるようながあって,しかもであるとよい.

Theorem 1. (Caratheodory’s extension theorem)

とする.
からへの写像で,かつ,でcountable additivityを満たしているとする.
このとき,に一意に拡張できる.すkなわち,で,がprobability spaceであるがただ一つ存在する.

proof.略 (Williams)
この定理を適用するときに問題となるのは,でcountable additivity を満たすかということである.それにはLec.1 Theorem 1のcountable additivityの同値命題を使うと良い:が減少列であるとき,

2. Lebesgue Measure on [0, 1] and on

上のuniform probability measureを構成する.これはLebesgue measureとも呼ばれる.Lebesgue measureはの部分集合にその長さをmeasureに与える.単純に長さの定義できない集合にもmeasureを与えることが問題となる.簡単のため,まずはから考える.

2.1 A -field and a field of subsets of

Borel -fieldといい,であらわす.の元をBorel setsとか,Borel measurable setsという.
から始めて,加算和とか,加算積とか,補集合とか,有限あるいは可算の操作を繰り返してできる集合たち全体の集合はBorel setである.
都合の良いとその上でのmeasure を定めてから,それを拡張する.と定める.このとき,

Lemma 1

proof. 略 (半開区間が,閉区間の可算積で書けることを思い出せばあきらかだろう)

Lemma 2

(a) はfieldである.(field: -fieldのcountable additivity aをfinite additivityにしたもの)
(b) -fieldでない.

proof.

(a)

であるとき,
finite additivity は定義より成立.
(b)
(a) だが,について和集合をとると,となる.これはの元でないので,確かにcountable additivityを持っていない.

2.2 The uniform measure on (0, 1]

と互いに素な区間の和で書けるとする.
このときとすると,これはの長さの総和であることが,区間の長さと有限和から言える.長さの直感的性質から,は同時にcountable additiveであると考えられる(Williams).
上の考察にCarateodory’s Extension Theoremを適用して,上のprobability measure , 別名をLebesgueuniform measureというmeasureを得る.

Exercise 1

上の無理数の集合とする.を示せ.

proof.

上の有理数は可算個であり,
(可算集合の測度を使った)

以上はでのみ議論したが,有界な区間であればLebesgue measureが定義できることは直ちに示せる.一方で,にLebesgue measureを定めるとなると,また別の議論が必要となる.

2.3 The Lebesgue measure on

とする.上の-fieldは,と構成するのが自然であるが,同値な定義に:
のBorel -fieldを全てのに前節の容量で作り,が常にBorel subsetであるとき,のBorel subsetであるという.このようなの集合をと定める.
がある.

さて,でのuniform measureとする.に,

によってを定めると,これはのmeasureになる.一方から,これはprobability measureではない.

Exercise 4.

上のmeasureであると示せ.
答案.

定義から,で定義され,.
とすると,のcountable additivityより,もcountable additivityを満たす.

Coiun Tooses: A “Uniform” Measure on

無限回のコイントスの試行というsample spaceに,最初の回のコイントスにおける結果のパターンの確率がそれぞれであるように-fieldとprobability measureを定義したい.以後,コインの表裏にそれぞれを割り当てて,とする.

3.1 A field and a -field of subsets of

を最初の回のコイントスの結果を見れば,起きたか否かわかるeventの集合とする.例えば,の元であり,同時に.の元でもある.
任意のに,

を考えると,とできて,.またの元はこの形で書ける.

Exercise 5

-fieldであることを示せ

答案.

  1.  (これをどう解釈すればいいだろう)
  2. とする.
  3. で成立するなら,
    . ここで,は各から最も短いものの長さをとしたとき全てのの,までを考えたときの和集合である.

さて,は,最初の回しか考えていないので,には小さすぎる.とすれば,は,一旦を固定すればが起きるか否かが決定するということ.

Example

である.とすると,無限回のコイントスで少なくとも一回は”1”がでるというeventとなる.である.補集合を考えると,これは無限界のコイントスの結果がの無限列であるというeventに対応する.もまたいかなるの元でない.
はfieldである(らしい)

として,さらにprobability measureを与える.

3.2 A probability measure on

を満たすように与える.
という形であるとき,として,measureを定める.これがconsistent(well-definedということ?)であることを示す.
であるとしても,が一意であると示す.
とする.このとき,と書ける.を代入して,.よって示せた.
上でcountable additivityを満たしえいることが示せる.(証明略)
Carateodory’s Extension Theoremから,上のmeasure が定義できる.

4. Completion of a Probability Space

field とcountably additiveながあるとき,Carateodory’s extension theoremによって上のmeasure, を与えられる.というのはを含む最小の-fieldであった.よりも少しだけ大きい-fieldにさらにmeasureを拡張したい.
というprobability spaceがあって,について,とする.このようなnull setという.ならば,かならずとmeasureを与えられるようにを拡張する.
(a) を全てのnull setの部分集合の集合族とする.
(b) とする.
(c) を,のmeasureとなるように自然に拡張する.すなわち,
このような拡張は必ず可能で,しかも一意である(証明略)

こうして全てのnull setの部分集合にもmeasure 0 を割り当てられているとき,そのprobability spaceはcomplete(完備)であるという.
あるいはで,をBorel fieldとするとき,その完備化について,
Lebesgue measurable setsといい,は同じくLebesgue measureという.

MITじゃこれを90分でやるってマジ!?

2017年7月3日月曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 32日目

CC BY-NC-SA 3.0

8.5 Inverse and implicit function theorem

という距離空間上のcontraction(縮小)写像である
が常に成り立つようながある.

がcontractionでがcompleteならば,ただ一つのfixed point(不動点)が存在することはChap.7 でみた.
関数がある点で微分可能であるというのは,その点の近くではその関数がその微分係数による線形写像の様に振る舞うということである.関数がある点で微分可能で,その周りでその導関数が可逆なら,もとの関数もまた局所的に可逆であるというのが,inverse function theoremの主張するところである.

Theorem 8.5.1 (Inverse function theorem)

で,が連続微分可能とする.についてで,が可逆(すなわち)であるなら,があって,.さらにが全単射であり,逆関数は連続微分可能であって,
が成立する.

proof.

とする.は連続だから,を中心とした開球があって,

が成立する.において可逆である.
があるとき,で,

とする.は全単射だから,.chain ruleにより

したがって

は開球なので,凸.よって

これは,で縮小写像であることを意味している.fixed point theorem, Theorem 7.6.2の前提はなので,とは限らないからfixed point の存在は言えないが,たかだか1つ存在するということは言える.したがっては単写である.
とする.が開であることを示さない(もうめんどくさくなった)

微積分の基礎の復習はここまで.以後は機械学習とプログラミングに注力しよう.(広すぎ)

2017年7月2日日曜日

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 01日目 測度空間と確率測度

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Probablistic Models and Probability Measures

1. Probabilistic Experiments

結果が不確定な現象や実験を解析するには確率モデルを使う.確率モデルは形式的にはと書かれprobability space(確率空間)と呼ばれる.probability spaceは以下の性質を持つ.
(a) は実験によって生じうる結果の集合で,sample space(標本空間)という.
(b) -加法性(後述)をもつの部分集合で,-fieldという.
(c) なる写像で,probability measure(確率測度)という.

これらの性質の詳細を議論する.

2. Sample Space

sample spaceは生じうる結果すべての集合で,のある要素をと表して,elementary outcomeとか,単にoutcomeという(素事象という言い方が有るがあまり使われないようだ.ふつう日本語では標本とか標本点と呼ぶ).Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive(MECE:つまり,重複無く,漏れなく)なければならない.

(a)サイコロを1回ふる実験を考えるとき,sample spaceはで,はサイコロをふって2が出るという事象を表している.
(c)サイコロを無限回ふる実験を考えるとき,であって,というような無限列である.
(d) 実験が乗り物の無限精度の速度とすると,である.

3. Discrete Probability Spaces

抽象的な議論の前に,さいころの試行のような,最も単純なタイプのprobability spaceを考える.
なprobability spaceをdiscrete probability spaceという.

Definition 1.

discrete probability spaceである以下の(a),(b),(c)が成立する.
(a)
(b)
(c) が定義されていて,が任意のに成立し,
である.

を単にと書き,とも書く.

Examples

(a) コイントスを考えるとき表が出る事象を,裏が出る事象をとする.
として,
,,
である.

(c)
,

としても,物理的な意味はないがdiscrete probability spaceである.

(e)
としてを固定し,とすると,はdiscrete probability spaceである.

(g)
さいころを回ふる実験を考える.であって,どの目が出る確率も同様に確からしいと仮定すると,が任意のに成立する.

4. -FIELDS

のときはdiscrete probability spaceと異なり,とは限らないが,必ず加法性という性質を満たさなければならない.
つまり,確率はの部分集合のうち,特に”よい”性質を持つものにのみ定義される.

Definition 2.

: a setに対して,-field(加法族,代数, 体)である以下の(a),(b),(c)を満たす.
(a)
(b) なら
(c) なら
eventといい,これを-measurable setか,単にmeasureable setという.を**measurable space(可測空間)という.

試行のうち,が生じたとき,event が起きたという.

Exercise 1.

(1) ならを示せ.
(2) であるなら,definition 1の(a)を(b),(c)によって導け.
答案.

(1)
(2) に,(b)から, (c)からであって,また(b)によってである.

Examles

(a) 自明な-field,
(b) の固定された部分集合として,-field.
(c) -field
(d) サイコロを回ふる実験を考える.とする.



とするとき,
-algebra.

Proposition

を添字集合として,はすべて同じsample space-fieldとする.は任意のの部分集合である最大の-fieldである.
proof.

だから,
ならゆえ,.同様にがいえる.

さて,の部分集合たちの属であるとする.を含む含むような最少の-fieldを考える.だから,最大のものは存在する.を含むすべての-filedの積集合を考えれば良い.
つまり,を含む任意の-filedとするとであり,これが最少の意味である.このように構成されたがらgenerate(生成された)-field といい,と書く.

5. Probability Measures

eventに対してその確率を与える方法を議論する.のときが問題で,-加法性をみたさなければならない.また,割り当てられる確率もまた特別な条件を満たす必要が有る.probability measureの前に,より一般的にmeasureの性質を議論する.

Definition 3.

はmeasurable spaceとする.関数,measureである以下の(a),(b)を満たす.
(a)
(b) (Countable additivity, 可算加法性)が互いに素であるとき,が成立する.

さらに,がmeasureであるとき,がprobabilty measureである(Axiom of Probability)

に,であるとき,event almost surely(ほとんど常に)起こるという.は自明な例である.しかし,と同値ではない.
というeventsがあって,同時にたかだか1つしか起こらないとする.このとき”どれか一つが起こる”という確率は,それぞれの起こる確率の和であるというのが,countable additivityの意味である.measureはもともと体積の一般化として導入された.一般なmeasureでは,体積無限大の立体を考えれば,measureがであるとこは不自然ではないが,probability measureでは特にを要求する.

Proposition 2.

Probability measureは以下の性質を持つ.
(a) (Finite additivity) が互いにであるとき,
(b)
(c)
(d) (Unioin bound) なら,

(e) (Enclusion-exclusion formula) に,

proof.

(a) countable additivityの集合列で,以上をにすれば示せる.
(b) から,
(c) ならであって,から,である.
(d) が互いに素である時は統合が成立する.であるようながあってほかはすべて互いに素であるとき, (別にでも成立するが) 両辺の測度をとって,
が成立する.互いに素でない集合がいくつあっても同じことである.
(e) 後日

Finite Additivity

Definition 4.

をsample spaceとする.

(a) とする.fieldである
1.
2.
3.

(b) のfieldとする.finite additive

Countinuity of Probabilities

とする.に収束する.よって確率を考えても,が望まれる.Continuity of probability measuresによってこの性質が導かれる.

Theorem 1. (Continuity of probability measures)

-fieldとする.であって,finite additivity propertyが成立するなら,以下は同値である.
(a) はprobability measureである.
(b) が単調増加してその極限がであるとき,
(c) が単調減少してに収束するとき,
(d) が探鳥減少してであるとき

proof.

(a) => (b)
と,互いに素な集合列の和にできる.このとき

以下略