2017年6月10日土曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 17日目 Riemann積分の線形性

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 5 The Riemann Integral

5.2 Properties of the Integral

5.2.2 Linearity and monotonicity

Proposition 5.2.4 (Linearity)

とする.
(i) で,

(ii) で,

proof.

(i) 略
(ii) (Exercies 5.2.2)
Prop 5.1.13の逆(明らか)より,なるの分割がある.とすると,Prop 5.1.7より

さらに

が常に成立するから
同様に
したがって

から上の不等式の最左辺と最右辺の値は等しく.故にすべての辺の値は等しい.
Darboux上下積分が一致するからであって,積分値はの積分値の和に等しい.

Proposition 5.2.5 (Monotonicity)

なら,

proof.

の分割とする.

であって, が任意のに成立.
すべてのでのを考えれば,.
Darboux上積分も同様の不等式がなりたつから,命題が成立する.

5.2.3 Continuos Functions

連続関数とリーマン可積分性の関係を調べる.

Lemma 5.2.6

が連続なら,.
proof.

閉区間上連続だから,は一様連続.なるがある.
を分割とし,が常に成り立つようにする.このとき

で連続だから,そこで最大値/最小値を持つ.
とすればであって,.したがって

は任意だから,Darbouxの上下積分は一致し,すなわちリーマン可積分.

Lemma 5.2.7

が有界で,なる任意のでリーマン積分可能ならであり,であるとき,

proof.

なる実数とする.

だから,は有界で,Bolzano-Weierstrassの定理から,収束する部分列がある.その極限をとする. Lemma 5.2.1より,

とすれば

同様にが言えて,から,のDarboux上下積分は一致してその値は.
部分列の極限が常にという実数だから,もとの数列もに収束する.

Definition

が区分的連続
有限個の点を除いたは連続.

Theorem 5.2.8

が有界で区分的連続ならリーマン積分可能
proof.

から非連続な点を除いた区間の列をつくる.それぞれのに含まれる任意のの閉区間は連続だから,リーマン積分可能.Lemma 5.2.7からでもはリーマン積分可能.Theorem 5.2.2よりをすべてつなげたはリーマン積分可能.

Proposition 5.2.9

がリーマン可積分とする.で,有限集合があってであるなら,であって,積分値は等しい.
proof. (Exercise 5.2.7)

簡単のため,は連続であるとする.
からの元を除いた区間の列をつくる.で積分可能であって,. Theorem 5.2.2から.

Linear Algebra (D. Cherney et al.) 5日目

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 6. Linear Transformations

Definition

関数が線形である
V, W はベクトル空間であって,

線形関数を文脈に応じて線形変換,線形写像,homogeneousとか呼ぶことがある.(日本語の本ではだいたい線形写像を使う)
今後,で書いた写像は全て線形とする.

6.1 The Consequence of Linearity

線形性によって,写像の性質を少ない個数の変数で表現することが出来る.

Example 70 (Two outputs in specifies all outputs)


がわかっているなら,の点はと書けるから,

このように,任意の点からの像がただちにわかる.
一般に,について,本のベクトルに対する像がわかれば,の任意の像が計算できる.

6.2 Linear Functions on Hyperplanes

線形関数は行列で書ける.これは線形連立方程式を解くことにほかならない.定義域がある超平面である線形関数を調べる.

Example 71


とする.

を満たすとき,

の定義域は三次元上のの張る平面.

行列は常にを定るが,は二次元だからを表す2つの行列がある.一方で

と,の元をだけで代表させ,順番を変えなければ,は唯一つの行列に対応する.

6.4 Bases(Take 1)

あるベクトル空間の基底とは,の部分集合であって(無限集合になることもある),任意のの元と一意に書けるもの

正直この本ってだいぶ読みにくいね

2017年6月9日金曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 16日目 Riemann積分の定義

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 5 The Riemann Integral

5.1 The Riemann Integral

高校で習う積分.普通積分というとこれのこと.この本ではDarbouxの方法でRiemannが考えたのと同値な積分を導入する.

5.1.1 Partitions and lower and upper integrals

Definition 5.1.1

が区間 の分割である
Pは

を満たす .
このとき、 と書く.
また,有界な の分割 があるとき、

と定める. をそれぞれ下Darboux和, 上Darboux和という.(上下Darboux和をと書く本もある)

Proposition 5.1.2

が有界で, の下限,上限とする . の任意の分割に,

proof.
略 (ほとんど明らか)

Definition 5.1.3

Darboux和は有界だから,

が存在して,それぞれを下Darboux積分, 上Darboux積分という.

Definition 5.1.6

の分割があるとき, の細分である

Proposition 5.1.7

が有界で,の分割で,の細分とする.このとき

proof.

とする. 細分の定義から, であって,をみたす狭義単調増加数列が存在する. とすると,

が成立する.とすれば,において. したがって

ゆえに

が成立する.
も同様に示せる.

Proposition 5.1.8

以上の定義のもとで

proof.

Prop 5.1.2 より任意の

から.同様に.
また,任意の分割があったとき,とすると,の細分であって,Prop 5.1.7よりしたがって,が常に成立.Prop 1.2.7より,

5.1.2 Riemann integral

Definition 5.1.9

は有界で,

であるとする.このときはリーマン可積分であるといい,リーマン積分可能な上の関数の集合をと書く.であるとき,
で積分の値を表す.
定義よりリーマン可積分関数は有界で,Prop 5.1.8より直ち次の命題を得る.

Proposition 5.1.10

とする.をそれぞれの下界,上界とすると,

Proposition 5.1.13

は有界とする. がリーマン可積分

proof. 略

5.2 Properties of the integral

5.2.1 Additivity

Darboux和の加法性を示すことで,Riemann積分の加法性を示す.

Lemma 5.2.1

は有界とする.このとき

が成立する.
proof.

分割を考えると,の分割.
とできる.右辺で上限を取るとき,左辺はに制限した上での上限.
の任意の分割とすると,の細分であって,したがってに制限した上限は制限しないときの上限に等しく,命題の片方が成立する.もう一方も同様.

Theorem 5.2.2


proof.

()Lemma 5.2.1より,

したがって,

ここで,だから,
.
すなわちでリーマン積分可能.
() Lemma 5.2.1から明らか.

2017年6月7日水曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 15日目 陰関数定理

CC BY-NC-SA 3.0

4.4 Inverse function theorem (陰関数定理)

4.4.1 Inverse function theorem

Lemma 4.4.1

は区間で,は全単射かつ狭義単調増加で,で微分可能で,であるとする.このとき,において,

が成立し,特にで連続でなとき,もまた連続微分可能である.(連続微分可能 微分可能かつ導関数が連続)
proof. 略

Theorem 4.4.2 (Inverse function theorem)

が連続微分可能でであるとき, なる区間であって,への制限が全単射で,連続微分可能な逆関数があって,

が成立する.

proof. 略