2017年6月9日金曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 16日目 Riemann積分の定義

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 5 The Riemann Integral

5.1 The Riemann Integral

高校で習う積分.普通積分というとこれのこと.この本ではDarbouxの方法でRiemannが考えたのと同値な積分を導入する.

5.1.1 Partitions and lower and upper integrals

Definition 5.1.1

が区間 の分割である
Pは

を満たす .
このとき、 と書く.
また,有界な の分割 があるとき、

と定める. をそれぞれ下Darboux和, 上Darboux和という.(上下Darboux和をと書く本もある)

Proposition 5.1.2

が有界で, の下限,上限とする . の任意の分割に,

proof.
略 (ほとんど明らか)

Definition 5.1.3

Darboux和は有界だから,

が存在して,それぞれを下Darboux積分, 上Darboux積分という.

Definition 5.1.6

の分割があるとき, の細分である

Proposition 5.1.7

が有界で,の分割で,の細分とする.このとき

proof.

とする. 細分の定義から, であって,をみたす狭義単調増加数列が存在する. とすると,

が成立する.とすれば,において. したがって

ゆえに

が成立する.
も同様に示せる.

Proposition 5.1.8

以上の定義のもとで

proof.

Prop 5.1.2 より任意の

から.同様に.
また,任意の分割があったとき,とすると,の細分であって,Prop 5.1.7よりしたがって,が常に成立.Prop 1.2.7より,

5.1.2 Riemann integral

Definition 5.1.9

は有界で,

であるとする.このときはリーマン可積分であるといい,リーマン積分可能な上の関数の集合をと書く.であるとき,
で積分の値を表す.
定義よりリーマン可積分関数は有界で,Prop 5.1.8より直ち次の命題を得る.

Proposition 5.1.10

とする.をそれぞれの下界,上界とすると,

Proposition 5.1.13

は有界とする. がリーマン可積分

proof. 略

5.2 Properties of the integral

5.2.1 Additivity

Darboux和の加法性を示すことで,Riemann積分の加法性を示す.

Lemma 5.2.1

は有界とする.このとき

が成立する.
proof.

分割を考えると,の分割.
とできる.右辺で上限を取るとき,左辺はに制限した上での上限.
の任意の分割とすると,の細分であって,したがってに制限した上限は制限しないときの上限に等しく,命題の片方が成立する.もう一方も同様.

Theorem 5.2.2


proof.

()Lemma 5.2.1より,

したがって,

ここで,だから,
.
すなわちでリーマン積分可能.
() Lemma 5.2.1から明らか.

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