CC BY-NC-SA 3.0
Chapter 3. Continuous Functions
3.1 Limits of functions
3.1.1 Cluster points (集積点)
cluster point は収積点と訳して, accumulation point や limit pointを集積点と訳すのだが,この本の定義ではcluster point は集積点のことのようだ.参考: 収積点と集積点(青山耕治)
Definition 3.1.1
S⊂Rについて, x∈RがSの集積点である
⇔∀ϵ>0. (x−ϵ,x+ϵ)∩S ∖{x}≠ϕ
つまり,xのどれほど近くにもSの点があるということ.
例:
(i) {1/n|n∈N} の集積点は0のみ.
(v) NはRにおいて集積点を持たない
Proposition 3.1.2
xがSの集積点である
⇔ xn≠xでxに収束する{xn}⊂Sがある.
proof.
⇒
仮定より, ∀n∈Nに (x−1/n,x+1/n)∩S ∖{x}≠ϕで,この集合のある要素をxnとすれば,xn→xである.
⇐
仮定より, ∀ϵ ∃N s.t. [n≥N⇒0<|xn−x|<ϵ]
したがって, {xn|n≥N}⊂[(x−ϵ,x+ϵ)∩S∖{x}]
3.1.2 Limits of functions
fがS上で定義された関数でcがSの集積点なら,f(x)のxがcに近づくときの極限を定義できる(存在するかは別).また, c∈Sであるとき, limx→cf(x)=f(c)とは限らない.
Definition 3.1.3
f:S→Rについて,
∀ϵ ∃δ s.t. [0<|x−c|<δ⇒|f(x)−L|<ϵ]
となるようなLが存在するとき, Lをlimx→cf(x)と書いて,fのcでの極限値という.この極限値が存在しないとき,fはcで発散するという(f(c)が存在しても).
Proposition 3.1.4
cを S=dom(f)の集積点とする.fがcにおいて極限値を持つとき,その値は一意.
proof. 略
3.1.3 Sequential limits
関数の極限と数列の極限の橋渡し
Lemma 3.1.7
S=dom(f), cをSの集積点とする.
f(x)→L (x→c) ⇔ xn→cなる任意の点列に, f(xn)→Lが成立する.
これを関数の極限の定義とする本もある.
proof. 略
Lemma 3.1.7によって,以下のCorollaryがかんたんに証明できる.
Corollary 3.1.9
S=dom(f)=dom(g), cがSの集積点であって,f,gのcにおける極限が存在して,∀x.f(x)≤g(x)なら,limx→cf(x)≤limx→cg(x)
proof. Lemma 3.1.7とLemma 2.2.3で示せる.
Corollary 3.1.10
3.1.9の条件のもとで∀x.a≤f(x)≤b⇒a≤limx→cf(x)≤b
proof. Lemma 3.1.7とLemma 2.2.4で示せる.
Corollary 3.1.11
3.1.9の仮定の条件にさらにhを加えて∀x f(x)≤h(x)≤g(x)で, limx→cf(x)=limx→cg(x)ならlimx→cf(x)=limx→ch(x)=limx→cg(x).
proof. 略
Corollary 3.1.12
Proposition 2.2.5の関数の極限版
3.1.4 Limits of restrictions and one-sided limits
略 要するに左極限と右極限を定義したい
3.2 Continuous functions
この章で, S=dom(f)とする.
3.2.1 Definition and basic properties
Definition 3.2.1
c∈Sでfが連続 ⇔∀ϵ ∃δ s.t. [x∈S,|x−c|<δ⇒|f(x)−f(c)|<ϵ]
だから,実数の中の整数集合のような”まばらな”集合上で定義された関数は各点で連続となる.
∀c∈Sにおいて,fがcで連続なら,単にfは連続であるという.
Proposition 3.2.2
f:S→Rについて,
(i) cがSの集積点でないなら,fはcで連続.
(ii) cがSの集積店なら,[fはcで連続 ⇔ fのcへの極限が存在し,limx→cf(x)=f(c)]
(iii) fがcで連続 ⇔xn∈S,limxn=cなる任意の列で{f(xn)}がf(c)に収束する.
proof.
(i),(ii) 略
(iii)
(⇒)
xn∈S,limxn=cとする. ∀δ ∃N s.t. n≥N⇒|xn−c|<δ
さらに連続性より ∀ϵ ∃δ s.t. |xn−c|<δ⇒|f(xn)−f(c)|<ϵ
合わせて∀ϵ∃N s.t. n≥N⇒|f(xn)−f(c)|<ϵ
(⇐)
xn∈S,limxn=cが存在しないときはcがSの集積点でなく(i)より成立.cはSの集積点とする.
fがcで連続でないと仮定する. 任意のδに|x−c|<δかつ|f(x)−f(c)|≥ϵなるϵ>0が存在する.xnをxn∈S,|xn−c|<1/nなる数列とすると,xn→cだが∀n.|f(xn)−f(c)|≥ϵだからf(xn)↛f(c)これは仮定に反する.
Example 3.2.3
f:(0,∞)→R,f:x↦1/xは連続
proof.
c∈(0,∞)とする.{xn}⊂(0,∞)をcに収束する列とすると,
f(c)=1c=1limxn=lim1xn=limf(xn)
Proposition 3.2.4
f(x)=adxd+ad−1xd−1+⋯+a1x+a0はRで連続.
3.2.2 Composition of continuous functions
f∘g(x)=f(g(x))の連続性の遺伝
Proposition 3.2.7
A,B⊂R,f:B→R,g:A→Bとする. gがc∈Aで, fがg(c)で連続であれば,f∘gはcで連続.
proof.
Prop 3.2.2(iii)でかんたんに示せる.
{xn}⊂Aがcに収束するとする.gはcで連続だから,g(xn)→g(c).またfはg(c)で連続だから,f(g(xn))→f(g(c)).
3.2.3 Discontinuous functions
fがcで連続でないとき,fはcで非連続であるという.Prop 3.2.2(iii)の⇒の対偶(contraposition)をとれば,
Proposition 3.2.9
c∈Sに収束する {xn}⊂Sで, f(xn)↛f(c)なる{xn}が存在するとき,fはcで非連続.
Example 3.2.11 (Dirichlet’s function)
f(x)={1 (x:rational)0 (x:irrational)
をDirichlet functionといい,Rのすべての点で非連続であることが知られている.
proof.
c∈Qとする.{xn}⊂(R∖Q),xn→cなる数列が無理数の実数での稠密性から存在する.
f(xn)→0≠1=f(c)だから非連続. c∈(R∖Q)でもほとんど同様.
3.2.4 Exercises
Exercise 3.2.13
f:S→R,c∈Sで, cに収束する任意の{xn}⊂Sにf(xn)が収束するなら,fはcで連続であることを示せ. (f(xn)→f(c)を仮定していない点でProp 3.2.2(iii)と異なる)
proof.
仮定のもとでf(xn)→f(c)を言えば良い.
cに収束する{xn}⊂Sについて, x′n={c (n:odd)xn/2 (n:even)
とすれば,x′nは収束するから,f(x′n)も収束する.収束する列のすべての部分列はもとの列と同じ極限に収束するから,
limf(x′n)=limf(xn)=limf(c)=f(c)
が成立する.よって示せた.
Exercise 3.2.14
f:[−1,0]→R,g:[0,1]→Rが連続で, f(0)=g(0)とする.
h:[−1,1]→R,h(x)={f(x) (x∈[−1,0]g(x) (x∈[0,1])
とするとhは連続であると示せ.
proof.
c<0で連続であることを示す.
cに収束する任意の{xn}⊂[−1,1]について,cの|c|/2近傍ではxn∈[−1,0]で,fの連続性とProp 3.2.3(iii)よりf(xn)→f(c)したがってh(xn)→h(c)=f(c)が成立.よってhはcで連続.
c>0でも同様.c=0での連続性を示す.
{xn}⊂[−1,1],xn→0とする.{xn}に[−1,0]の点が有限個しかないなら,h(xn)→g(0)=0=h(0)は明らかで, {xn}に[0,1]の点が有限個しかないときも同様.
{xn}が[−1,0],[0,1]の点をそれぞれ無限個含むとする.T1={n|xn∈[−1,0]},T2={n|xn∈[0,1]}とすると
f,gの連続性から任意のϵに
n≥N1,n∈T1⇒|f(0)−f(xn)|=|f(xn)|<ϵ
n≥N2,n∈T2⇒|g(0)−g(xn)|=|g(xn)|<ϵ
なるN1,N2がある. N=max(N1,N2)とすると
n≥N⇒|h(xn)|<ϵすなわちh(xn)→0
以上より,任意の{xn}⊂[−1,1]にh(xn)→0=h(0).よってhは0で連続hは[−1,1]で連続と示せた.
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