2017年5月28日日曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 八日目 連続関数と連続性の定義

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 3. Continuous Functions

3.1 Limits of functions

3.1.1 Cluster points (集積点)

cluster point は収積点と訳して, accumulation point や limit pointを集積点と訳すのだが,この本の定義ではcluster point は集積点のことのようだ.参考: 収積点と集積点(青山耕治)

Definition 3.1.1

について, の集積点である

つまり,のどれほど近くにもの点があるということ.
例:

(i) の集積点はのみ.
(v) において集積点を持たない

Proposition 3.1.2

の集積点である
に収束するがある.
proof.


仮定より, で,この集合のある要素をとすれば,である.

仮定より,
したがって,

3.1.2 Limits of functions

上で定義された関数での集積点なら,に近づくときの極限を定義できる(存在するかは別).また, であるとき, とは限らない.

Definition 3.1.3

について,

となるようなが存在するとき, と書いて,での極限値という.この極限値が存在しないとき,で発散するという(が存在しても).

Proposition 3.1.4

の集積点とする.において極限値を持つとき,その値は一意.
proof. 略

3.1.3 Sequential limits

関数の極限と数列の極限の橋渡し

Lemma 3.1.7

, の集積点とする.
なる任意の点列に, が成立する.
これを関数の極限の定義とする本もある.

proof. 略

Lemma 3.1.7によって,以下のCorollaryがかんたんに証明できる.

Corollary 3.1.9

, の集積点であって,における極限が存在して,なら,
proof. Lemma 3.1.7とLemma 2.2.3で示せる.

Corollary 3.1.10

3.1.9の条件のもとで
proof. Lemma 3.1.7とLemma 2.2.4で示せる.

Corollary 3.1.11

3.1.9の仮定の条件にさらにを加えてで, なら.
proof. 略

Corollary 3.1.12

Proposition 2.2.5の関数の極限版

3.1.4 Limits of restrictions and one-sided limits

略 要するに左極限と右極限を定義したい

3.2 Continuous functions

この章で, とする.

3.2.1 Definition and basic properties

Definition 3.2.1

が連続
だから,実数の中の整数集合のような”まばらな”集合上で定義された関数は各点で連続となる.
において,で連続なら,単には連続であるという.

Proposition 3.2.2

について,
(i) の集積点でないなら,で連続.
(ii) の集積店なら,[で連続 への極限が存在し,
(iii) で連続 なる任意の列でに収束する.

proof.

(i),(ii) 略
(iii)
()
とする.
さらに連続性より
合わせて
()
が存在しないときはの集積点でなく(i)より成立.の集積点とする.
で連続でないと仮定する. 任意のかつなるが存在する.なる数列とすると,だがだからこれは仮定に反する.

Example 3.2.3

は連続
proof.

とする.に収束する列とすると,

Proposition 3.2.4

で連続.

3.2.2 Composition of continuous functions

の連続性の遺伝

Proposition 3.2.7

とする. で, で連続であれば,で連続.
proof.

Prop 3.2.2(iii)でかんたんに示せる.
に収束するとする.で連続だから,.またで連続だから,.

3.2.3 Discontinuous functions

で連続でないとき,で非連続であるという.Prop 3.2.2(iii)のの対偶(contraposition)をとれば,

Proposition 3.2.9

に収束する で, なるが存在するとき,で非連続.

Example 3.2.11 (Dirichlet’s function)


をDirichlet functionといい,のすべての点で非連続であることが知られている.

proof.

とする.なる数列が無理数の実数での稠密性から存在する.
だから非連続. )でもほとんど同様.

3.2.4 Exercises

Exercise 3.2.13

で, に収束する任意のが収束するなら,で連続であることを示せ. (を仮定していない点でProp 3.2.2(iii)と異なる)

proof.

仮定のもとでを言えば良い.
に収束するについて,
とすれば,は収束するから,も収束する.収束する列のすべての部分列はもとの列と同じ極限に収束するから,

が成立する.よって示せた.

Exercise 3.2.14

が連続で, とする.

とするとは連続であると示せ.
proof.

で連続であることを示す.
に収束する任意のについて,近傍ではで,の連続性とProp 3.2.3(iii)よりしたがってが成立.よってで連続.
でも同様.

での連続性を示す.
とする.の点が有限個しかないなら,は明らかで, の点が有限個しかないときも同様.
の点をそれぞれ無限個含むとする.とすると
の連続性から任意の


なるがある. とすると
すなわち
以上より,任意の.よってで連続

で連続と示せた.

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