2017年5月27日土曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 七日目 べき級数と収束半径

CC BY-NC-SA 3.0

2.6.4 Multiplication of series

級数どうしの掛け算は,少なくとも一方が絶対収束すると議論ができる.

Theorem 2.6.5 (Merten’s theorem)

がそれぞれに収束するとする.少なくとも一方が絶対収束するとき,

とすると, に収束する.この級数のコーシー積(Cauchy product)という.

proof.

2.6.5 Power series (べき級数)

におけるべき級数とは,

の形をしたの関数で,の少なくともひとつの(実際には収束するなら無限個の)点で収束するとき,べき級数は収束するという.のすべての点で発散するとき,べき級数は発散するという.

Example 2.6.7 (Exponential)


は, より,ダランベルの収束判定を使って,このべき級数はすべてので収束する.これはに等しい.

Proposition 2.6.10 (収束半径)

べき級数には,ならば収束, なら発散するようながある.このを収束半径という.べき級数が発散するときには, 常に収束するときにはとする.
proof. (本の証明がややこしいので”Understanding Analysis”, Abbottを参考にした)

あるが収束するとき,なるすべてのでべき級数が絶対収束(収束)することを示す.が収束するから,がすべてのになりたつがある.とすると,

の幾何級数で,収束する.よってこのが絶対収束すことが示せた.
さらに,

とする. ならで,級数はすべてので収束し,ならですべてのに発散する. とすると, で級数は絶対収束し, またなら級数は発散する.とすると,命題が示せた.

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