CC BY-NC-SA 3.0
7.3 Properties of Matrices
線形関数が行列(と基底)によって表現できることがわかった.行列の性質を知ることで線形関数の理解を深めることができる.
Definition
r×k行列M=(mij),i=1,...,r;j=1,...,kは実数あるいは複素数を
(m11m12⋯m1km21m22⋯⋮mr1mr2⋯mrk)
と並べたもの.mijをMの(i,j)成分と呼ぶことにする.
(mi1 mi2 ⋯ mik)をMの第i行といい,
(m1j m2j ⋯ mrj)TをMの第j列という.
v=(v1v2⋮vr)
のようなr×1行列を特に縦ベクトルとよび,
v=(v1 v2 ⋯ vk)
のような1×k行列を特に横ベクトルと呼ぶ.
Example 82
gif画像形式ファイルは,各要素がピクセルの色を表現する行列.
Example 83
グラフを行列で表現する.グラフとは,頂点(vertice)の集合Vと,頂点を結ぶ辺(edge)の集合のこと..V={1,...,n}と,頂点を自然数で表すとき,頂点iから出てjを終点とする辺の本数を(i,j)成分とする行列を作れば,行列でグラフを表現できる.このようにしてグラフを表現する行列を隣接行列(adjacency matrix)という.
M=(1211201011011013)
r×k行列の集合をMrkと書く.
(和書洋書をいくつか見てもこうした記法は見られないので,以後,Mの(i,j)成分をmi j, m×n行列の集合をM(m,n)と書くことにする.)
Definition 行列の積
L∈M(l,m),M∈M(m,n)があるとき,LとMの積LMを定義できる.
N=LM,L=(li j),M=(mi j),N=(nij)とすると,
ni j=∑1≤k≤mli kmk j
横ベクトルu=(u1,...,un)と縦ベクトルv=(v1⋮vn) があるとき,積uv=∑iuivi
L=(l1l2⋮ll),M=(m1 m2 ⋯ mm)と,横ベクトルliと縦ベクトルmjでL,Mを表すと,
ni j=limj
が成立する.また,M∈M(m,n)とx∈M(n,1)があってM=(m1 m2 ⋯ mn)と縦ベクトルmiでかいて,x=(x1⋮xn)とすると,
Mx=(x1m1+⋯xnmm)
Theorem 7.3.1
行列Mと縦ベクトルxがあるとき,Mx=0なら,Mのすべての行とxは直交する.
Remark
Mの列たちのなすベクトル空間をMの列空間といい,行たちのなすベクトル空間をMの行空間という.
7.3.1 Associativity and Non-Commutativity
行列L,M,Nについて,積が定義できるなら(LM)N=L(MN)
一方でLM=MLは一般には成り立たない.
7.3.2 Block Matrices
M=(1231456078910120)
があるとき,
A=(123456789),B=(101),C=(012),D=(0)
として,M=(ABCD)と書ける.
NがM=(A′B′C′D′)と書けて,AA′,BB′,CC′,DD′が定義できていれば,
MN=(AA′+BCAB′+BDCA′+DC′CB′+DD′)
が成立する.このように行列を小さな行列を要素とする行列(blocks)に分割して行列の積を計算したりできる.
7.3.3 The Algebra of Square Matrices
正方行列Mにはべき乗M0=I,Mn=M(Mn−1)が自然に定義できて,f(x)=x2+2x+3のような多項式に自然に代入できる.
7.3.4 Trace
Definition
M∈M(n,n)のtraceは,その対角成分の和.すなわち
trM=∑imi i
Theorem 7.3.3
traceは交代的.つまりtrMN=trNM
7.5 Inverse matrix
Definition
M∈M(n,n)が可逆(正則,非特異)である
⇔∃M−1 s.t. MM−1=M−1M=I
M(n,n)の部分集合で,可逆な行列の集合を一般線形群といい,GL(n)と書く.
7.5.1 Three Properties of the Inverse
- (A−1)−1=A
- (AB)−1=B−1A−1
- (A−1)T=(AT)−1
7.5.2 Finding Inverses (Redux)
大規模な行列の逆行列を求めるに当たって効率の良いアルゴリズム.
M∈GL(n)とし,Mx=vという線形連立方程式を解く.
M−1が存在するから,x=M−1vとなって,解は一つに定まる.
I=(v1 v2 ⋯ vn)となるように縦ベクトルviを定め,xi=M−1viとすると,
(x1 x2 ⋯ xn)=M−1(v1 v2 ⋯ vn)=M−1I=M−1
が成立する.
よって,MX=Iという連立方程式を解けば良い.拡大係数行列は
(M|I)
という形で,基本変形を繰り返して
(I|M′)
という形にしたとき,M′はM−1に等しい.
7.5.3 Linear Systems and Inversees
M−1が存在するとき,Mx=v⇔x=M−1v
7.5.4 Homogeneous Systems
Theorem 7.5.1
正方行列Mが可逆⇔Mx=0が0以外の解をもたない
proof.
(⇒)
Mx=0に左からM−1をかけて,x=0
(⇐)
仮定より,Mは基本変形によって単位行列に変形できる.このとき7.5.2の方法でM−1を計算できる.
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