CC BY-NC-SA 3.0
Chapter 8. Determinants
8.1 The Determinant Formula
8.1.2 Pemutations (置換)
(1,...,n)のような順序を考える集合の並び替えをpermutation(置換)という.ある置換は,全単射な写像σ:{1,...,n}→{1,...,n}であると考えることが出来る.
σ=[σ(1),...,σ(n)]
と書き下すことが出来る.置換には以下の重要な性質がある.
1. 要素数nの集合の置換はn!個ある.
2. 任意の置換は,2つの要素の順番を交換する置換(特に互換という)の有限個の適用によって表現できる.
3. 任意の置換σについて,σを表現する互換の個数は常に偶数か奇数で,偶数であるときσを偶置換,奇数であるとき奇置換という.
Definition the sign function
置換σに,その偶奇性を返す関数を符号関数といい
sgn(σ)={1 σが遇置換−1 σが奇置換
で定める.
Definition the determinant (行列式)
M∈M(n,n)のdeterminant(行列式)を,
detM=|M|:=∑σ∈Σsgn(σ)m1 σ(1)m2 σ(2)⋯mn σ(n)
と定める.ただし,Σは(1,...,n)の置換の集合とする.
Theorem 8.1.1
Mが,すべての要素が0である行を一つ以上持つとき,detM=0.
Swapping rows
行基本変形によって行列式がどうなるか調べる.
行列Mの行i,jを交換した行列をM′とする.ある置換σについて,σ(i)とσ(j)を交換した置換ˆσを考えると,あきらかに
sgn(ˆσ)=−sgn(σ)
したがって,i<jとすると,
detM′=∑σsgn(σ)m1 σ(1)⋯mjσ(i)⋯mi σ(j)⋯mn σ(n)=∑σsgn(σ)m1 σ(1)⋯miσ(j)⋯mj σ(i)⋯mn σ(n)=∑σ−sgn(ˆσ)m1 σ(1)⋯mjˆσ(i)⋯mi ˆσ(j)⋯mn σ(n)=−∑ˆσsgn(ˆσ)m1 ˆσ(1)⋯mjˆσ(i)⋯mi ˆσ(j)⋯mn ˆσ(n)=−detM
よって,行の交換によって,行列式は符号のみ変化する.
corollary
Mが2つ以上同じ行を持つとき,その2つを選んで交換した行列をM′とすると,
detM=−detM=detM⇒detM=0
8.2 Elementary Matrices and Determinants
8.2.2 Row Multiplication
Mのある行をλ倍した行列をM′とすると,detM′=λdetM
8.2.3
Mのある行のμ倍を他の行に加えた行列をM′とすると,detM′=detM
8.2.4 Determinant of Products
行列に左からかけて基本変形を行う行列
1. Eij: i行目とj行目を交換する
2. Ri(λ) : i行目をλ倍する
3. Sij(μ): i行目をμ倍してj行目に加える
について,detEij=−1,detRi(λ)=λ,detSij(μ)=1が成立する.
行列Mの被約階段行列に変形できるとき,それをRREF(M)と書く.Mが上の基本変形行列を左からけけてRREF(M)にできるとき,つまりRREF(M)=E1E2⋯EkMとできるとき,
1. Mが可逆でないとき,RREF(M)にはすべての要素が0である行が存在するので,detRREF(M)=0.
2. Mが可逆であるとき,RREF(M)は単位行列で,detRREF(M)=1.
行列の積の行列式はそれぞれの行列の行列式の積だから,
Theorem 8.2.2
detM=0⇔ Mは可逆でない
0 件のコメント:
コメントを投稿