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2017年6月19日月曜日

Linear Algebra (D. Cherney et al.) 8日目

CC BY-NC-SA 3.0

Chapter 8. Determinants

8.1 The Determinant Formula

8.1.2 Pemutations (置換)

(1,...,n)のような順序を考える集合の並び替えをpermutation(置換)という.ある置換は,全単射な写像σ:{1,...,n}{1,...,n}であると考えることが出来る.
σ=[σ(1),...,σ(n)]
と書き下すことが出来る.置換には以下の重要な性質がある.
1. 要素数nの集合の置換はn!個ある.
2. 任意の置換は,2つの要素の順番を交換する置換(特に互換という)の有限個の適用によって表現できる.
3. 任意の置換σについて,σを表現する互換の個数は常に偶数か奇数で,偶数であるときσを偶置換,奇数であるとき奇置換という.

Definition the sign function

置換σに,その偶奇性を返す関数を符号関数といい
sgn(σ)={1  σが遇置換1  σが奇置換
で定める.

Definition the determinant (行列式)

MM(n,n)のdeterminant(行列式)を,
detM=|M|:=σΣsgn(σ)m1 σ(1)m2 σ(2)mn σ(n)
と定める.ただし,Σ(1,...,n)の置換の集合とする.

Theorem 8.1.1

Mが,すべての要素が0である行を一つ以上持つとき,detM=0.

Swapping rows

行基本変形によって行列式がどうなるか調べる.
行列Mの行i,jを交換した行列をMとする.ある置換σについて,σ(i)σ(j)を交換した置換ˆσを考えると,あきらかに
sgn(ˆσ)=sgn(σ)
したがって,i<jとすると,
detM=σsgn(σ)m1 σ(1)mjσ(i)mi σ(j)mn σ(n)=σsgn(σ)m1 σ(1)miσ(j)mj σ(i)mn σ(n)=σsgn(ˆσ)m1 σ(1)mjˆσ(i)mi ˆσ(j)mn σ(n)=ˆσsgn(ˆσ)m1 ˆσ(1)mjˆσ(i)mi ˆσ(j)mn ˆσ(n)=detM
よって,行の交換によって,行列式は符号のみ変化する.

corollary

Mが2つ以上同じ行を持つとき,その2つを選んで交換した行列をMとすると,
detM=detM=detMdetM=0

8.2 Elementary Matrices and Determinants

8.2.2 Row Multiplication

Mのある行をλ倍した行列をMとすると,detM=λdetM

8.2.3

Mのある行のμ倍を他の行に加えた行列をMとすると,detM=detM

8.2.4 Determinant of Products

行列に左からかけて基本変形を行う行列
1. Eij: i行目とj行目を交換する
2. Ri(λ) : i行目をλ倍する
3. Sij(μ): i行目をμ倍してj行目に加える

について,detEij=1,detRi(λ)=λ,detSij(μ)=1が成立する.
行列Mの被約階段行列に変形できるとき,それをRREF(M)と書く.Mが上の基本変形行列を左からけけてRREF(M)にできるとき,つまりRREF(M)=E1E2EkMとできるとき,
1. Mが可逆でないとき,RREF(M)にはすべての要素が0である行が存在するので,detRREF(M)=0.
2. Mが可逆であるとき,RREF(M)は単位行列で,detRREF(M)=1.
行列の積の行列式はそれぞれの行列の行列式の積だから,

Theorem 8.2.2

detM=0 Mは可逆でない

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