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8.2.2 Matrices
有限次元ベクトル空間があって,それぞれの基底をとする.を行列によって表現する.
はの基底に対する像によって決まるから,
が成立するようにを定めると,
が成立する.(行列の基本用語の生命は省略する)
行列と線形写像は1体1に対応する.基底を変えれば,行列は異なった線形写像を表現することになる.
で,標準基底を用いるとき,Cauchy-Schwartzの不等式から
任意のに,
したがって,が成立する.この右辺をのnormと考えることもできて,Frobenius norm といい, と書く.
Proposition 8.2.7
が距離空間において連続関数として,の要素を行列として並べると,はである連続写像である.逆に,が連続である時,それの行列表現の要素は連続である.
8.2.3 Determinants
行列式の議論だが,面倒なので大半は省略して重要な事実を列挙する.
- \det I = 1
- はそれぞれのに対して線形
- の2つの列を交換してとしたとき,
- が相等しい列をもつとき,
- が0ベクトルを列に持つとき,
- は連続写像
- で,可逆なとき,
- したがって
- 性質2~5は列を行と呼び変えても成立
- 行列式は基底によらない. を基底の変換行列として,は全単射で可逆.ゆえに
8.2.3 Exercises
Exercise 8.2.11
を多項式空間とし,を微分作用素とする.
をにノルムを入れる.
a) これが確かにノルムであることを示せ.
b) の作用素ノルムは非有界であると示せ.
答案.
a)
(i) は明らか.
(ii)
(iii) が成立.
以上より示せた.
b)
である.ゆえ,よって確かには非有界
8.2.12 (Prop 8.2.4の証明)
は有限次元ベクトル空間で,をそのノルムとする.
a) , は連続と示せ.
b) であるとき,を常に満たすが存在することを示せ.
c) ならばなるが存在すると示せ.
d) (c)を使って,が有限次元ベクトル空間でならを示せ.
答案.
b) は超球面で,閉集合である.さらに有界で有限次元だからコンパクトであって,a)で示した連続性より,最小値,最大値がには存在する.
c) であるが存在するとき,
は基底だから,.よっては非有界となり,に反する.
8.2.13
をを基底とするベクトル空間で,ノルムが入っているとする.
のノルムは標準ユークリッドノルムとする.
a) 任意のにであるがあると示せ.
b) をのノルムとするとき,があって,任意のにが成り立つことを示せ.
c) は,を距離として開集合なら,を距離としても開集合であることを示せ.
答案.
a)
とする.で,から,が成立する.とすれば,上で抑えられることもわかる.
b)
a)の証明の過程で,としたが,それぞれでノルムを使ったときのをとするとき,
が成立する.任意のはと書けて,と新たに定めると,
が成立する.したがって,
が成立する.
c)
とする.
a)より, なるが存在する.
で,仮定よりがによって開集合であるとすると,ならばなるが存在する.ならばであるから,によってもは開集合である.
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