2017年7月17日月曜日

MIT OCW, Fundamentals of Probability 12日目 積分の順序交換

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 13 Product Measure and Fubini’s Theorem

1. Product Measure

と2つのprobability spaceを考える.ふたつのprobability spaceで独立にexperimentを行うとき,”joint experiment”とでも言うものを考え,それに対して新たなprobability spaceを与える.

1.1, 1.2, 1.3 The Sample Space, -Field and Measure of the Joint Experiment

明らかに新たなsample spaceは.
であれば,新しいprobability spaceでもという確率が知りたいので,新しい-fieldを以下のように定義する.

Definition 13-1


上の-fieldである.はデカルト積ではない.
さらに,上のprobability measureを定義する.独立性を仮定しているから,

が成り立たなければならない.

Theorem 13-1 (証明略)


を満たすは唯一つ存在する.このとも書き,product measureと呼ぶ.

1.4 Beyond Probability Measures

の可算個の分割で,そのすべての分割にmeasure が有限であるようにできるとき,-finiteという.たちが-finiteであるとき,Theorem 13-1は成立する.

1.5 The Product Measure on

を2つ考えて節1のように新しいmeasure space

を定義できる.ただしはLebesgue measureとする.は2次元Lebesgue measureという.
ところでの開集合全体から導からる-fieldとして定義しても同じことである.

2. Fubini’s Theorem

Lebesgue積分の順序交換ができる条件を論じる.Lebesgue積分の勉強をしたいわけではないので結論だけ見る.はmeasurableとする.これは任意のという条件に同値.
わかりやす measurable functionの例に

(a) 連続なはmeasurable
(b) measurable setのindicator functionはmeasurable
(c) measurable functionたちの加減乗算と極限操作はmeasurable

Theorem 13-2

は非負かつmeasurableで,はこの上のproduct measureとする.このとき

(a) の関数としてmeasurable
(b) の関数としてmeasurable
(c) の関数としてmeasurable
(d) の関数としてmeasurable
(e)

Theorem 13-2はが非負であると仮定していて,積分がであることを禁じていない.関数がintegrableとは,積分が未満の実数に確定することであった.関数の絶対値の二重積分がintegrableであるとき,順序交換できるというのがTheorem 13-3の主張である.

Theorem 13-3

がemasurableで,かつ

であるとする.このとき

(a) の関数としてintegrable
(b) の関数としてintegrable
(c) となるが存在する.
(d) となるが存在する.
(e)

4. An Application

基本的な確率論の定理をFubini’s Theoremを使って証明する.

を非負なrandom variableとする.このとき

を示す.

proof.

とする.このとき

Fubini’s theoremを適用して

というのはを固定しての関数と考えているので,
よって
以上より

(Fubini’s theoremが使える条件をみたしているかの判定は略した)

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