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2017年7月16日日曜日

MIT OCW, Fundamentals of Probability 11日目 Lebesuge積分と収束定理

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 11 Abstract Integration -I

Lebesgue 積分について論じる.

1. Preliminaries

measure space (Ω,F,μ)g:Ω¯Rについて,gdμを定義する.gdμgの(Ωでの)Lebesgue integralというが,これをgとかg(ω)dμ(ω)と書くことも有る.

Special cases:

(a) (Ω,F,P)がprobability spaceでX:Ω¯Rがmeasurableなら, XdP=E[X]
(b) (R,B,λ)において,BがBorel sets, λがBorel measureとするとき,gdλg(x)dxと書くことが有る.これはRiemann積分の一般化である.

The Program:

gdμを以下の段階に沿って定義する.

(a) gが非負で値域が有限集合な関数(simple function, 単函数)について,単に重み付きの和として積分を定める.
(b) 非負なgを,simple functionによって下から近似して,その極限で積分を定める.
(c) 一般のgについて,g=g+gと正部と負部にわけてそれぞれ積分し,gdμ=g+dμgdμとする.

Ω上の積分についてのみ論じるが,あるBFにおける積分は単に
Bgdμ=(1Bg)dμ
とすればよい.ただし1Bg(ω)={g(ω)   ωB0otherwiseとする.
以後,ある性質Pについて,μ({ω|P(ω)=False})=0であるとき,”Pはa.e. (almost everywhere, ほとんどいたる所) に成立する”という.特にμがprobability measureであるとき,a.s. (almost surely, ほとんど確かに)と呼ぶ.例えばXYa.s.とは,P(X=Y)=P({ω|X(ω)Y(ω)})=0と同値である.
同様に,函数g,hghとはωg(ω)h(ω)のことだが,gh a.e.とは,μ({ω|g(ω)>h(ω)})=0ということである.また”gng”によって,任意のωgn(ω)が広義単調増加数列で,gに収束することを示し,gng  a.e.gn(ω)がほとんどすべての点でg(ω)に広義単調増加収束するということである.

2. The Main Result

The Programで挙げた(a), (b), (c)で,(c)においてg+dμ=gdμ=である場合以外,かならず積分値が¯Rの元に確定する.以下は重要な定理であるが,証明は略す.左に一般のmeasureに成立する命題を,右に特に確率論の記法で書いたその命題を記す.

Theorem 11-1

1.1Bdμ=μ(B)     E[1B]=P(B)2.g0gdμ0X0E[X]03.g=0a.e.gdμ=0X=0a.s.E[X]=04.ghghXYE[X]E[Y]4gh,a.e.ghXYa.s.E[X]E[Y]5.g=h,a.e.g=hX=Y,a.s.E[X]=E[Y]6.[g0,a.e.andg=0]g=0,a.e.[X0,a.s.andE[X]0]X=0,a.s.7.(g+h)=g+hE[X+Y]=E[X]+E[Y]8.(ag)=ag9.  0gnggdg0XnXE[Xn]E[X]9  0gng, a.e.gng0XnX,a.s.E[Xn]E[X]10.g0ν(B)=Bg is a measure[f0,f=1]ν(B)=B is a probability measure

9, 9’をMonotone Convergence Theorem(MCT, 単調収束定理)という.これにのみあとで証明を与える.

The Riemann Integral

Riemann積分の定義はすでにやった.http://37ma5ras.blogspot.jp/2017/06/basic-analysis-jiri-lebl-16.html.
Riemann積分はほとんど至るところ連続な函数でしか定義できない.Lebesgue積分はこの問題を解決する.

Example

Q=[0,1]Qとする.g=1Qとする.[0,1]の任意の分割P=(0=x1<x2<<xn=1)を考える.[xi,xi+1)は必ず有理数と無理数を含むから,Darboux和はL(P,g)=0,U(P,g)=1が必ず成立.よっていかなる分割にもDarboux上下和は一致せず,Riemann積分不能.一方[0,1]上のuniform distributionとrandom variable 1Qを考えると,P(1Q=1)=0(|Q|=|N|)で,E[X]=[0,1]1Q(x)dx=0.

4.The Integral of a Nonnegative Simple Function

Definition 11-2

g:ΩRsimple function(単函数)gはmeasurableで|g(Ω)|<|N|

このときg
g(ω)=ki=1ai1Ai(ω),   aiR, AiF
と書ける.このような表現はいくらでも作れるが,{ai}がすべて異なった値で,{Ai}が互いに素である表現は唯一つで,このような表現をcanonicalという.canonical表現では{ai}=g(Ω),Ai={ω|g(ω)=ai)である.

Definition 11-3

gがsimple functionであって上の様に表現するとき,その積分を
gdμ:=ki=1aiμ(Ai)
と定める.

μがprobability measure Pであるとすると,simple function X:ΩRをsimple random variableとよび,その積分XdPE[X]と書かれ,
E[X]=ki=1aiP(Ai)
である.仮に{ai}の元がそれぞれ異なるとき,つまりcanonicalであるとき
E[X]=ki=1aiP(X=ai)
が成立する.

4.2 Proof of the Monotone Convergence Theorem

property 9の,probability measureの場合をsimple functionに示す.
q=ki=1ai1Ai,ai>0と表現したsimple function qを考える.
{gn}gnqなるnonnegative measurable functionの列とする.qが無限である場合と有限である場合に場合分けする.

(i) q=であるとき,あるiμ(Ai)=ということである.このiについて
Bn={ωAi|gn(ω)>ai/2}
という集合列を考える.BnAiであって,measureの連続性からμ(Bn).またgn(ai/2)1Bnである.Theorem 11-1-4から
gndμ(ai/2)1Bndμ=ai2μ(Bn)
よってgn

(ii) q<とする.常にμ(Ai)<であって,A=ki=1Aiとする.finite additivityからμ(A)<である.1/r<aなる整数rを固定する.
Bn={ωA|gn(ω)q(ω)(1/r)}
とするとBnAで,連続性からμ(Bn)μ(A)=μ(Bn)+μ(ABn)<からμ(ABn)0.
1Aq=q,a.e.であって,
qdμ=1Aqdμ=1Bnqdμ+1ABnqdμ
ωBngn(ω)+(1/r)q(ω)だから,gn+(1/r)1Bn1Bnq.
したがって
gndμ+1r1Bndμ1Bnqdμ=qdμ1ABnqdμqdμaμ(ABn)
極限を取って
limngndμ+1rμ(A)qdμ
r>1/aは任意だから
limgndμqdμ
一方gnqからgndμqdμlimgndμqdμ.
以上より
limgn=q

5. The Integral of a Nonnegative Function

非負関数gの積分は,gをsimple functionによって下から近似して定めることはすでに述べた.

Definition 11-4

measurable g:Ω[0,]について,S(g)={q|qg,qはsimple}とする.
gdμ=supqS(g)qdμ
と積分を定める.

Lecture 12 Abstract Integration -II

この章では重要な定理が証明されているが,関数がsimple functionである場合以外は省略する.

1. Borel-Cantelli Revisited

Borel-Cantelliの補題はすでに述べたがもう一度定式化する.http://37ma5ras.blogspot.jp/2017/07/gamarnik-tsisiklis-fundamentals-of_8.html
特に第一の主張A={Ani.o.},P(An)<P(A)=0について論じる.
Xiをevent Aiのindicator functionとする.E[Xi]=P(Ai)であって,E[Xi]<を仮定する.ni=1Xiというrandom variableは非負でnによって増加列をなす.さらに
limnni=1Xi=i=1Xi
と各点収束する.Monotone Convergence Theoremとexpectationの線形性から
E[Xi]=limE[ni=1Xi]=limni=1E[Xi]=limni=1P(Ai)=P(Ai)<
であって,Xi< a.s.である.Aiが有限回起きる確率が1ということであって,すなわちAiが無限回起きる確率が0ということである.

2. Connections between Abstract Integration and Elementary Definitions of Integrals and Expectations

2.2 Evaluating Expectations by Integrating on Different Spaces

(Ω,F,P)というprobability spaceを考える. Xをその上のrandom variableとすと,(R,B,PX)という新しいprobability spaceが現れる.ここでBRのBorel sets, PXXのprobability law
PX(A)=P({ωΩ|X(ω)A})
である.measurableなg:RRY=g(X)を定義し,また新たなprobability space (R,B,PY)を定める. E[Y]は3つの方法で計算できる.

Theorem 12-1

YdP=gdPX=ydPY

proof. gがsimple functionである場合のみ示す.

g(R)={y1,...,yn}とする.定義より
YdP=yiyiP({ω|Y(ω)=yi}=yiyiP({ω|g(X(ω))=yi})
同様に
gdPX=yiyiPX({x|g(x)=yi})
PXの定義より,
PX({x|g(x)=yi})=PX(g1(yi))=P({ω|X(ω)g1(yi)})=P({ω|g(X(ω))=yi})

以上によって示せた.

2.3 The Case of Continuos Random Variables, Described by PDFs

X:ΩRがcontinuousであるとは,そのCDFが
FX(x)=P(Xx)=1(,x]fdλ    (λ:Lebesgue masure)
というふうに,非負でmeasurableなfで書けることであった.このときAB
PX(A)=Afdλ
が成立する.fがRiemann積分可能でAが区間なら単にPX(A)=Af(x)dxと書ける.

Theorem 12-2

gはmeasurableで非負であるか,|g|dPX<ならば
E[g(X)]=gdPX=(gf)dλ
が成立する.

proof.

E[g(X)]=gdPXは定義であるから,gdPX=(gf)dλを示す.
gがsimple functionで,g=ki=1ai1Aiと書けるときのみ示す.
gdPX=ki=1aiPX(Ai)=ki=1aiAifdλ=ki=1ai1Aifdλ=ki=1ai1Aifdλ=(gf)dλ
から,成立.

Fatou’s Lemma

X,Yという2つのrandom variableがあるとき,min{X,Y}X,min{X,Y}Yであって,expectationをとるとE[min{X,Y}]E[X],E[min{X,Y}]E[Y].したがって
E[min{X,Y}]min{E[X],E[Y]}が成立する.
Fatouの補題はこれに無限個のrandom variableと極限操作を入れて出来る命題である.

Theorem 12-3

YE[|Y|]<なるrandom variableとする.このとき
(a) n  YXnであるならE[lim infXn]lim infE[Xn]
(b) n  XnYであるならE[lim supXn]lim supE[Xn]

proof.

(a)のみ示す.nを固定し,
infknXkYXmY     mn
expectationを取ってからinfを考えて
E[infknXkY]infmnE[XmY]
infknXkYは非負であり,nによって広義単調増加である.またlim infXnYに収束する.両辺の極限を取って,
limnE[infknXkY]lim infE[XnY]
左辺はMonotone convegence theoremからE[lim infXnY]に収束し,
E[lim infXnY]lim infE[XnY]
E[|Y|]<からE[lim infXn]lim infE[Xn]

4. Dominated Convergence Theorem(DCT, 優収束定理)

Theorem 4. (DCT)

Xに各点収束する{Xn}というrandom variableの列を考える.n  |Xn|Y,E[|Y|]<があるなら, limE[Xn]=E[X]

proof.

YXnYだから,両辺にFatou’s Lemmaを適用して
E[X]=E[lim infXn]lim infE[Xn]lim supE[Xn]E[lim supXn]=E[X]
ゆえに
E[X]=lim infE[Xn]=lim supE[Xn]
よってlimE[Xn]が存在して,E[X]に等しい.

DCTの特別な場合に,Bounded Covergence Theorem(BCT, 有界収束定理)がある.これはYcという定数としたとき,すなわち|Xn|c   a.s.であるならE[Xn]Xを主張する.

Corollary 12-1

E[|Zn|]<ならば
n=1E[Zn]=E[n=1Zn]
が成立する.

proof.

Monotone Convergence TheoremをYn=nk=1|Zk|に適用し
E[|Zn|]=E[|Zn|]<
Xn=ni=1ZiとすればlimXn=Zn. |Xn||Zi|<で,これにDCTを適用する.

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