David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.
- Lecture 11 Abstract Integration -I
- Lecture 12 Abstract Integration -II
- 1. Borel-Cantelli Revisited
- 2. Connections between Abstract Integration and Elementary Definitions of Integrals and Expectations
- 2.2 Evaluating Expectations by Integrating on Different Spaces
- 2.3 The Case of Continuos Random Variables, Described by PDFs
- Fatou’s Lemma
- 4. Dominated Convergence Theorem(DCT, 優収束定理)
Lecture 11 Abstract Integration -I
Lebesgue 積分について論じる.
1. Preliminaries
measure space とについて,を定義する.をの(での)Lebesgue integralというが,これをとかと書くことも有る.
Special cases:
(a) がprobability spaceでがmeasurableなら,
(b) において,がBorel sets, がBorel measureとするとき,をと書くことが有る.これはRiemann積分の一般化である.
The Program:
を以下の段階に沿って定義する.
(a) が非負で値域が有限集合な関数(simple function, 単函数)について,単に重み付きの和として積分を定める.
(b) 非負なを,simple functionによって下から近似して,その極限で積分を定める.
(c) 一般のについて,と正部と負部にわけてそれぞれ積分し,とする.
上の積分についてのみ論じるが,あるにおける積分は単に
とすればよい.ただしとする.
以後,ある性質について,であるとき,”Pはa.e. (almost everywhere, ほとんどいたる所) に成立する”という.特にがprobability measureであるとき,a.s. (almost surely, ほとんど確かに)と呼ぶ.例えばとは,と同値である.
同様に,函数にとはのことだが,とは,ということである.また””によって,任意のにが広義単調増加数列で,に収束することを示し,はがほとんどすべての点でに広義単調増加収束するということである.
2. The Main Result
The Programで挙げた(a), (b), (c)で,(c)においてである場合以外,かならず積分値がの元に確定する.以下は重要な定理であるが,証明は略す.左に一般のmeasureに成立する命題を,右に特に確率論の記法で書いたその命題を記す.
Theorem 11-1
9, 9’をMonotone Convergence Theorem(MCT, 単調収束定理)という.これにのみあとで証明を与える.
The Riemann Integral
Riemann積分の定義はすでにやった.http://37ma5ras.blogspot.jp/2017/06/basic-analysis-jiri-lebl-16.html.
Riemann積分はほとんど至るところ連続な函数でしか定義できない.Lebesgue積分はこの問題を解決する.
Example
とする.とする.の任意の分割を考える.は必ず有理数と無理数を含むから,Darboux和はが必ず成立.よっていかなる分割にもDarboux上下和は一致せず,Riemann積分不能.一方上のuniform distributionとrandom variable を考えると,で,.
4.The Integral of a Nonnegative Simple Function
Definition 11-2
がsimple function(単函数)
このときは
と書ける.このような表現はいくらでも作れるが,がすべて異なった値で,が互いに素である表現は唯一つで,このような表現をcanonicalという.canonical表現ではである.
Definition 11-3
がsimple functionであって上の様に表現するとき,その積分を
と定める.
がprobability measure であるとすると,simple function をsimple random variableとよび,その積分はと書かれ,
である.仮にの元がそれぞれ異なるとき,つまりcanonicalであるとき
が成立する.
4.2 Proof of the Monotone Convergence Theorem
property 9の,probability measureの場合をsimple functionに示す.
と表現したsimple function を考える.
をなるnonnegative measurable functionの列とする.が無限である場合と有限である場合に場合分けする.
(i) であるとき,あるにということである.このについて
という集合列を考える.であって,measureの連続性から.またである.Theorem 11-1-4から
よって(ii) とする.常にであって,とする.finite additivityからである.なる整数を固定する.
とするとで,連続性からから.
であって,
にだから,.
したがって
極限を取って
は任意だから
一方からで.
以上より
5. The Integral of a Nonnegative Function
非負関数の積分は,をsimple functionによって下から近似して定めることはすでに述べた.
Definition 11-4
measurable について,とする.
と積分を定める.
Lecture 12 Abstract Integration -II
この章では重要な定理が証明されているが,関数がsimple functionである場合以外は省略する.
1. Borel-Cantelli Revisited
Borel-Cantelliの補題はすでに述べたがもう一度定式化する.http://37ma5ras.blogspot.jp/2017/07/gamarnik-tsisiklis-fundamentals-of_8.html
特に第一の主張について論じる.
をevent のindicator functionとする.であって,を仮定する.というrandom variableは非負でによって増加列をなす.さらに
と各点収束する.Monotone Convergence Theoremとexpectationの線形性から
であって,である.が有限回起きる確率が1ということであって,すなわちが無限回起きる確率が0ということである.
2. Connections between Abstract Integration and Elementary Definitions of Integrals and Expectations
2.2 Evaluating Expectations by Integrating on Different Spaces
というprobability spaceを考える. をその上のrandom variableとすと,という新しいprobability spaceが現れる.ここではのBorel sets, はのprobability law
である.measurableなでを定義し,また新たなprobability space を定める. は3つの方法で計算できる.
Theorem 12-1
proof. がsimple functionである場合のみ示す.
とする.定義より
同様に
の定義より,
以上によって示せた.
2.3 The Case of Continuos Random Variables, Described by PDFs
がcontinuousであるとは,そのCDFが
というふうに,非負でmeasurableなで書けることであった.このときに
が成立する.がRiemann積分可能でが区間なら単にと書ける.
Theorem 12-2
はmeasurableで非負であるか,ならば
が成立する.
proof.
は定義であるから,を示す.
がsimple functionで,と書けるときのみ示す.
から,成立.
Fatou’s Lemma
という2つのrandom variableがあるとき,であって,expectationをとると.したがって
が成立する.
Fatouの補題はこれに無限個のrandom variableと極限操作を入れて出来る命題である.
Theorem 12-3
はなるrandom variableとする.このとき
(a) であるなら
(b) であるなら
proof.
(a)のみ示す.を固定し,
expectationを取ってからを考えて
は非負であり,によって広義単調増加である.またに収束する.両辺の極限を取って,
左辺はMonotone convegence theoremからに収束し,
から
4. Dominated Convergence Theorem(DCT, 優収束定理)
Theorem 4. (DCT)
に各点収束するというrandom variableの列を考える.があるなら,
proof.
だから,両辺にFatou’s Lemmaを適用して
ゆえに
よってが存在して,に等しい.
DCTの特別な場合に,Bounded Covergence Theorem(BCT, 有界収束定理)がある.これはをという定数としたとき,すなわちであるならを主張する.
Corollary 12-1
ならば
が成立する.
proof.
Monotone Convergence Theoremをに適用し
とすれば. で,これにDCTを適用する.
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