2017年7月9日日曜日

Gamarnik, Tsisiklis. Fundamentals of Probability 06日目 離散確率変数1

David Gamarnik, and John Tsitsiklis. 6.436J Fundamentals of Probability. Fall 2008. Massachusetts Institute of Technology: MIT OpenCourseWare, https://ocw.mit.edu. License: Creative Commons BY-NC-SA.

Lecture 6. Discrete random variables and their expectations

1. A Few Useful Random Variables

の値域がたかだか可算であるときrandom variable をdiscrete random variableといい,そのPMF(probability mass function) は,と一対一に対応するのだった.以下は特に重要なPMFたちである.

(a) Discrete uniform

に,

(b) Bernoulli

に,

(本文ではなのだが,過去に出てきたコイントスの例だと1で表,0で裏を表すようにしていたし,(c)の解説では表の場合の確率をpとしていた.おそらく誤植だろう.)

(c) Binomial

に,

binomial random variableは,表が出る確率のコイントスを回繰り返して回表が出る確率を表している.

(d) Geometric

として,

geometric random variableは表が出る確率のコイントスで回目に初めて表が出る確率を表している.

(e) Poisson

に,

Poisson random variableはbinomial random variableの極限と考えることが出来る.

(f) Power law(冪乗則)

に,

ここで

が成立する.

Notation

上で定義したPMFをそれぞれと略記することにする.またが例えばdU()が定めるPMFを持つとき,と書くように,という記号を導入する.また,
によって,が同じPMFを持つことを示すとする.

1.1 Poisson distribution as a limit of the binomial

Poisson distributionははbinomial distributionのnを大きく,pを小さくした極限で,例えばある年での事故件数のような稀な事象のモデルを作るときによく使われる.この場合はその稀な事象の平均件数を表している.

Proposition 6-1.(Binomial convergence to Poisson)

がすべてのに成立し,とする.このときによってのPMFはのPMFに収束する.つまり,

proof.


を固定してとすると,

よって

2. Joint, Marginal, And Conditional PMFs

2.1 Marginal PMFs

は同じprobability spaceのrandom variableとする.それぞれのprobability lawがPMF によって書けるとき,これらをmarginal PMFとよぶ.(ようするにただのPMF)

2.2 Joint PMFs


で定義されるjoint PMFという.より一般に,というrandom variableたちがあるとき,これらのjoint PMFは

で定義される.random variableのベクトルを定義して,上のjoint PMFを単にと書くことが有る.
のjoint PMFは,によって決められるeventの確率を決めることが出来る.例えば,がある性質を満たす集合とすると,

が成立する.ところで,marginal PMFによって,のmarginal PMFを計算できる.

である.

2.3 Conditional PMFs

が同じprobability spaceのdiscrete random variableであって,joint PMFはであるとする.このときconditional PMFを,

によって定める.定義より

である.

Independence of Random Variables

3.1 Independence of general random variables

random variable がindependent(独立)とは,一方の値が決まってももう一方の値の分布が変わらないということである.形式的には

Definition 6-1 (Independence of random variables)

(a) を同じprobability spaceのrandom variableとする.

が任意のBorel subsetたちになりたつとき,はindependent(独立)であるという.
(b) の独立性は,その任意の有限部分集合の独立性と同値とする.

Proposition 6-2

任意のに,というeventたちがindependentなら,もまたindependent.
(event がindependent )

proof. 略
random variable のjoint CDFを,

と定める.prop.2の観点から,の独立性は

と同値である.

3.2 Independence of Discrete Random Variables

有限個のdiscrete random variableの独立性はjoint PMFがmarginal PMFの積になることと同値である.

Theorem 6-1

はdiscrete random variableとする.以下は同値
(a) は独立
(b) に,というeventは独立
(c)
(d) に,なら

proof.

()

定義より明らか

()

()

明らか

()

仮定のもとで,任意のBorel set

Theorem 6-2

が独立なdiscrete random variableとする.を任意の関数とする.このときというrandom varibaleは独立である

3.3 Examples

Example

を,同じパラメータをもつBernoulli random variableたちとする.とすると,のbinomial random variableである.

Example

を,それぞれのパラメータを持つ独立なbinomial random variableとする.とすると,はパラメータをもつbinomial random variableである.

Example

確率で表が出るコイントスを回行う.を表が出た回数として,とすると,は裏が出た回数のrandom variableである.であるが,から,は独立でない.

一方で,コイントスの回数もまたランダムであるとき,表が出る回数のrandom variableと裏が出る回数のrandom variableは独立になる.をパラメータのPoisson random variableとすると,conditional PMF のbinomialであって,とすると,は独立となる.(次定理)

Theorem 3. (Splitting of a Poisson random variable)

上の条件のもとでは独立であり, である.

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