2017年6月28日水曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 30日目

CC BY-NC-SA 3.0

8.2.2 Matrices

有限次元ベクトル空間があって,それぞれの基底をとする.を行列によって表現する.
の基底に対する像によって決まるから,

が成立するようにを定めると,

が成立する.(行列の基本用語の生命は省略する)

行列と線形写像は1体1に対応する.基底を変えれば,行列は異なった線形写像を表現することになる.
で,標準基底を用いるとき,Cauchy-Schwartzの不等式から
任意のに,

したがって,が成立する.この右辺をのnormと考えることもできて,Frobenius norm といい, と書く.

Proposition 8.2.7

が距離空間において連続関数として,の要素を行列として並べると,である連続写像である.逆に,が連続である時,それの行列表現の要素は連続である.

8.2.3 Determinants

行列式の議論だが,面倒なので大半は省略して重要な事実を列挙する.

  1. \det I = 1
  2. はそれぞれのに対して線形
  3. の2つの列を交換してとしたとき,
  4. が相等しい列をもつとき,
  5. が0ベクトルを列に持つとき,
  6. は連続写像
  7. で,可逆なとき,
  8. したがって
  9. 性質2~5は列を行と呼び変えても成立
  10. 行列式は基底によらない. を基底の変換行列として,は全単射で可逆.ゆえに

8.2.3 Exercises

Exercise 8.2.11

を多項式空間とし,を微分作用素とする.
をにノルムを入れる.
a) これが確かにノルムであることを示せ.
b) の作用素ノルムは非有界であると示せ.

答案.

a)
(i) は明らか.
(ii)
(iii) が成立.
以上より示せた.
b)
である.ゆえ,よって確かには非有界

8.2.12 (Prop 8.2.4の証明)

は有限次元ベクトル空間で,をそのノルムとする.
a) , は連続と示せ.
b) であるとき,を常に満たすが存在することを示せ.
c) ならばなるが存在すると示せ.
d) (c)を使って,が有限次元ベクトル空間でならを示せ.

答案.

b) は超球面で,閉集合である.さらに有界で有限次元だからコンパクトであって,a)で示した連続性より,最小値,最大値がには存在する.
c) であるが存在するとき,
は基底だから,.よっては非有界となり,に反する.

8.2.13

を基底とするベクトル空間で,ノルムが入っているとする.
のノルムは標準ユークリッドノルムとする.
a) 任意のであるがあると示せ.
b) のノルムとするとき,があって,任意のが成り立つことを示せ.
c) は,を距離として開集合なら,を距離としても開集合であることを示せ.

答案.

a)
とする.で,から,が成立する.とすれば,上で抑えられることもわかる.
b)
a)の証明の過程で,としたが,それぞれでノルムを使ったときのとするとき,


が成立する.任意のと書けて,と新たに定めると,
が成立する.したがって,

が成立する.
c)
とする.
a)より, なるが存在する.
で,仮定よりによって開集合であるとすると,ならばなるが存在する.ならばであるから,によってもは開集合である.

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