2017年5月25日木曜日

Basic Analysis (Jiri Lebl) 五日目 数列の極限と部分列の関係

CC BY-NC-SA 3.0

Limit superior, limit inferior, and Bolzano-Weierstrass

有界かつ発散する数列にもある種の極限を定義する.

2.3.1 Upper and lower limits

有界な数列から単調な部分列を取り出し,その極限をもとの列のある種の極限とする方法.

Definition 2.3.1

を有界列とする.

とすると,明らかには講義単調減少し,有界. は講義単調増加し,有界.よって極限が存在する.

とする.非有界な数列についても,を許せばが定義される.収束列ではは一致する(Th 2.3.5).

Proposition 2.3.2

は有界でとする.
(i) は有界で単調減少し, は有界で単調増加する.
(ii)
(iii)

proof.

(i) のみ示す. だから上に有界. 下に非有界とすると, このときこれはの有界性に反する.また, 一般にだから,は単調減少する. も同様に示せる.
(ii) 有界で単調増加/減少する列はその上限/下限に収束するから成立
(iii)
から, が常に成立.よって

Theorem 2.3.4

が有界列とすると, 部分列があって,

同様に部分列があって,

が成立する.

proof.

のみ論じる.
とする. .
の部分列を帰納的に定義する.
1. とする.
2. が決まっているとき, を満たす最小のとする.
ここで,かつより, 任意の

が成立する.(のときは最左辺はだから結局成立する)
と同じ極限に収束することを示す. に収束するから,その部分列に収束する.よって,

さらに, なるも存在する.とすると,

以上により示せた.

2.3.2 Using limit inferior and limit superior

Theorem 2.3.5

を有界列とする. が収束する .
またこのときが成立.
proof. 略

Proposition 2.3.6

の部分列とすると,

proof. 略

Theorem 2.3.7

有界列に収束する任意の部分列がに収束する
proof.

()
それ自体やK-tailもの部分列だから,成立
()
仮定
部分列の定義を思い出せば, は単調増加する自然数から自然数への写像だから,であって, . よって成立

2.3.3 Bolzano-Weierstrass theorem

Theorem 2.3.8 (Bolzano-Weierstrass)

が有界列であれば, 適当な部分列は収束する.
proof.

(が1次元の実数列であるとき)Th.2.3.4より成立 (区間縮小法を使わない証明!)

しかしこの証明はが二次元以上の点列のときは使えないので,区間縮小法の証明もある.(略)

2.3.4 Infinite limits

非有界な列にもを認めると,発散する数列にある種の極限を定義できる.

Definition 2.3.9

が正の無限大に発散する
負の無限大への発散も同様.

Example 2.3.10


これは無限大に発散しないが, .

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